BLOG京都美酒知新2021.01.29

カクテルが飲みたくなる話「ウイスキー・マティーニ」

ウイスキーなどお酒には、歴史や醸造の苦労話などさまざまな物語があります。 「京都美酒知新」では、カクテルとウイスキーにまつわるお話をご紹介していきます。 美しいカクテルをつくり、解説してくださるのは、全国にファンのいる名バーテンダー 「K6」の西田稔さんです。このお話を読むと、カクテルが飲みたくなるに違いありません。

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■西田稔(にしだみのる) 

京都木屋町二条「Bar K6」、「cave de K」、「keller」のマスターバーテンダー。
2020年開業の「ザ・ホテル青龍 京都清水」内の「Bar K36」を監修。自らもカウンターに立つ。
京都生まれ、同志社大学卒業後、東京のバーで経験を積み、1994年に「Bar K6」を開業した。シャンパーニュの将校、グラッパの騎士、クリュッグアンバサダー、ウイスキーコンテスト審査員

Whisky Martini ウイスキー・マティーニ
カクテル言葉「知的な愛」

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1979年に出版された『ザ・パーフェクト・マティーニ・ブック』には、268種類ものマティーニのレシピが掲載させれているそうです。マティーニはまさに「カクテルの王様」といえる存在でしょう。

映画『007』シリーズのなかで、主役のジェイムス・ボンドが「Vodka Martini, Shaken, not stirred(ウォッカマティーニを。ステアせずにシェイクで」とセリフを決めるシーンがあります。
本来ならばジンでつくるマティーニをウォッカで、それもシェイクして、かつ混ぜないでとオーダーするのです。この意表をついたカクテルがうけ、ウォッカマティーニが流行しました。その後も、『007』シリーズでは、このカクテルが定番になったのです。

また、2006年に公開された『007 カジノロワイヤル』では、ボンドが「ゴードンジン3、ウォッカ1、キナリレ1/2をよくシェイクしてシャンパングラスに注ぎ、レモンと皮を入れてくれ」と細かなレシピでマティーニをオーダーします。このマティーニは、そのときに登場したボンドガールの名前から、ヴェスパー、あるいはヴェスパー・マティーニと呼ばれるようになりました。

昨年、初代のジェームス・ボンドを演じられたショーン・コネリーさんが逝去されました。彼は、長年スコットランドの独立運動を支持したことでも知られる愛国心の強い方でした。そんなショーン・コネリーさんを偲び、今回はスコットランドにある蒸留所のウイスキーを使ったマティーニをつくりました。

カクテルレシピ

季の美  45ml
アランウイスキー10年 15ml
オレンジビターズ 2dash

1月のウイスキー

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アラン10年でつくるウイスキーソーダ

スコットランドのアラン蒸留所でつくられる「アラン10年」は、ファーストフィル(ウイスキー熟成に始めて使う樽)のバーボンバレルで熟成させた原酒をメインに、シェリーホグスヘッド(容量220250lの樽・豚一頭分の重さに近いことからこの名がついた)で熟成させたシングルモルトを、バランスよくヴァッティング(大きな樽でモルトウイスキー同士を混ぜ合わせる)させ、10年間寝かせたもの。
あたたかみのある金色で、香りはハチミツのほか、砂糖漬けのシトラス、リコリス、バタースコッチと多彩。アランの特徴でもある清らかでフルティーなモルトの味わいを感じられるフラッグシップウイスキーです。
グラスにまずは氷を入れてアラン10年を注ぎ、軽くステアして温度を下げます。そこに冷えたソーダを加えてステア。温度差を少なくすることで、ウイスキーとソーダをうまくなじませることができます。

アラン蒸留所
1995年にスコットランド・アラン島のロックランザ村に誕生した蒸留所です。独立資本経営で、ブレンド用の原酒づくりではなくシングルモルトウイスキーのみを生産する数少ない蒸留所です。昨今、世界各地で産声を上げるクラフト蒸留所のパイオニアとして知られ、4基の小型蒸留器で丁寧に蒸留を行います。

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■Bar K6

京都市中京区木屋町二条東入ル ヴァルズビル2F
075-255-5009

撮影:ハリー中西

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