BLOG京都美酒知新2021.03.26

カクテルが飲みたくなる話「ソルティドッグ」

ウイスキーなどお酒には、歴史や醸造の苦労話などさまざまな物語があります。 「京都美酒知新」では、カクテルとウイスキーにまつわるお話をご紹介していきます。 美しいカクテルをつくり、解説してくださるのは、全国にファンのいる名バーテンダー 「K6」の西田稔さんです。このお話を読むと、カクテルが飲みたくなるに違いありません。

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■西田稔(にしだみのる) 

京都木屋町二条「Bar K6」、「cave de K」、「keller」のマスターバーテンダー。
2020年開業の「ザ・ホテル青龍 京都清水」内の「Bar K36」を監修。自らもカウンターに立つ。
京都生まれ、同志社大学卒業後、東京のバーで経験を積み、1994年に「Bar K6」を開業した。シャンパーニュの将校、グラッパの騎士、クリュッグアンバサダー、ウイスキーコンテスト審査員

ソルティドッグ
カクテル言葉「寡黙」

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「ソルティドッグ」の名前の由来は、イギリス海軍で使われる「甲板員」を意味するスラング。甲板員は、潮風や波浪を浴びながら仕事をすることから"塩辛い野郎"と呼ばれていたそうです。

イギリスで生まれた当時の「ソルティドッグ」は、現在とはずいぶん違ったレシピでつくられていました。ベースはジンで、そこにグレープフルーツジュースを加え、塩をひとつまみ加えてやわらかにシェイクし、カクテルグラスに注ぐというもの。これが塩辛い野郎です。

現在のように、ウォッカをベースにしてグラスの縁に塩をつけるようになったのは、アメリカに渡ってからだといわれています。

うちのソルティドッグは、原型ともいえるクラシックなレシピでおつくりしています。
今回ベースにするのは、ジャパニーズクラフトジンです。「六(ROKU)」などジャパニーズクラフトジンの多くは、ボタニカルのひとつに抹茶を使っています。抹茶が放つ出汁のようなニュアンスとカクテル内に潜ませた塩が響き合い、スムースでいて個性ある最高のカクテルに仕上がるのです。
速いリズムではなく、ゆるーくシェイクするのが美味しさの秘訣です。

カクテルレシピ

六  45ml
フレッシュグレープフルーツジュース 90ml
塩 ひとつまみ

3月のウイスキー

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スプリングバンク10年のロック

スプリングバンク10年はキャンベルタウンで唯一安定したウイスキーづくりを行うスプリングバンク蒸留所のメイン商品です。ウイスキー愛好家の間では、「モルトの香水」と称されるほど薫り高く、港町独特の気候環境から「塩辛い(Briny)」味わいを帯びたシングルモルトに仕上がります。爽やかな柑橘系のフルーティさやシロップのような甘い香りもあり、そのユニークな複雑味が魅力です。
芳醇で個性的な味わいをあますことなく堪能できるロックでどうぞ。

スプリングバンク蒸留所

スプリングバンク蒸留所は、スコットランドの南西にあるキャンベルタウンにあります。
キャンベルタウンには、かつて30以上の蒸留所があり、ウイスキーの都と呼ばれていましたが、現在では3つの蒸留所が残るだけになりました。
3つのうちのひとつがスプリングバンク蒸留所で、1828年にレイド家が創設してまもなく財政難に陥り、現在のオーナーであるミッチェル家に買収されました。
生麦からボトリングまでを蒸留所内で管理し、全ての麦芽をフロアモルティングでまかなう貴重な蒸留所です。19世紀にアーガイル公キャンベルが、ウイスキー蒸留のために作った人口の貯水池「クロスヒル湖」の水と敷地内の井戸水を用いて醸します。

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■Bar K6

京都市中京区木屋町二条東入ル ヴァルズビル2F
075-255-5009

撮影:ハリー中西

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