BLOG京都美酒知新2021.07.29

カクテルが飲みたくなる話「モヒート」

ウイスキーなどお酒には、歴史や醸造の苦労話などさまざまな物語があります。「京都美酒知新」では、カクテルとウイスキーにまつわるお話をご紹介していきます。 美しいカクテルをつくり、解説してくださるのは、全国にファンのいる名バーテンダー 「K6」の西田稔さんです。このお話を読むと、カクテルが飲みたくなるに違いありません。

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■西田稔(にしだみのる) 

京都木屋町二条「Bar K6」、「cave de K」、「keller」のマスターバーテンダー。
2020年開業の「ザ・ホテル青龍 京都清水」内の「Bar K36」を監修。自らもカウンターに立つ。
京都生まれ、同志社大学卒業後、東京のバーで経験を積み、1994年に「Bar K6」を開業した。シャンパーニュの将校、グラッパの騎士、クリュッグアンバサダー、ウイスキーコンテスト審査員

モヒート
カクテル言葉「心の渇きをいやして」

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ヘミングウェイが、「わがダイキリはフロリディータで、わがモヒートはボデギータで」という言葉を残すほど愛飲したカクテル「モヒート」は、今も世界中で飲まれています。
エリザベス1世の時代、海賊フランシス・ドレイクの部下リチャード・ドレイクが、モヒートの前身といわれる「ドラケ」を、キューバに伝えたのが起源だそうです。

「ドラケ」は、アグアルディエンテ(サトウキビが原料の蒸留酒でラムの前身)と砂糖、ライム、ミントを合わせたものだったと伝わります。

19世紀後半には、バカルディ・ラムがキューバ国内で流行し、ドラケに使われていたアグアルディエンテをバカルディ・ラムに切り替えた「モヒート」が人気カクテルになりました。 1931年発行の『Sloppy Joe's Bar in Havana』のカクテルブックにも、この「モヒート」が紹介されています。

ただし、バカルディ社がキューバ革命に伴ってキューバから撤退したこともあり、以降キューバで飲まれる「モヒート」には、ハバナ・クラブが使われています。

今回ご紹介したのは、「Bar K36」のために考案したレシピです。ミントを擂り潰さず、叩くだけで香りを出し、フローズンで提供することによってミントが持つえぐみを抑えるのが特徴です。冷えたジュレップカップに注いでミントをたっぷりと盛り、その上に上品な甘みの和三盆をふりかけました。

爽やかなこの「モヒート」で喉と心を潤してください。

カクテルレシピ

バカルディ(ホワイトラム)45ml
ライム 2カット
ライムシロップ 15ml
プレーンシロップ 10ml
ソーダ 40ml
アンゴスチュラビターズ 1das
ミントリーフ 適量
和三盆 適量

7月のウイスキー

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タリスカー 10年

ピートと強烈な潮の香り、スモーキーなモルトの甘い風味が口に広がる個性的なシングルモルトです。
海水を思わせるほのかな塩味や生ガキの香り、柑橘系の甘味が特徴。煙るようなスモーキーさとともに力強いモルトの香味やドライフルーツのような豊かな甘みも感じてください。
「タリスカー10年」は、タリスカーを代表する商品として世界中で愛されています。
ハイボールにして、最後にぱらりと黒コショウをかけると、より引き締まった味わいを感じられます。

タリスカー蒸留所

1982年当時、タリスカー蒸留所を所有していたDCL社は40程度の蒸留所を所有していました。その当時、スコッチウイスキーといえばそのほとんどはブレンデッドスコッチウイスキーであり、タリスカーもジョニーウォーカーなどの貴重な原酒として重宝されていました。
シングルモルトの個性的な味わいを広めたいとタリスカー8年がリリースされます。しかし、当時はシングルモルトにほとんどの人は見向きもせず、DCL社は買収されてしまいました。
新しい所有者であるユナイテッド・ディスティラリーズ社(現在のDIAGEO社の前身)は必ずシングルモルトの時代が来ると、所有する蒸留所から各地域を代表する6つの蒸留所をボトリングした"クラシックモルトシリーズ"を1988年にリリースします。その際にアイランズモルトの代表として選ばれたのがタリスカー蒸留所です。

タリスカーオンラインより

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■Bar K6

京都市中京区木屋町二条東入ル ヴァルズビル2F
075-255-5009

撮影協力:Bar K36
撮影:ハリー中西

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