BLOG料亭コンシェルジュ2019.01.11

料亭で、結婚しようよ

By佐竹恭子

これを知っていれば大丈夫!料亭ビギナーを「美濃吉本店 竹茂楼」の若女将・佐竹恭子さんがエスコート、大切な日を彩ってくれる料亭の使い方を教えてくれます。

人生の大きな節目を料亭ですごす。それはほかにはない格別な時間です――と言われても、いったいなぜなのか? 何ができるのか? 料亭とはなかなかわかりにくいもの。そんな料亭ビギナーを「美濃吉本店 竹茂楼」の若女将・佐竹恭子さんがエスコート、大切な日を彩ってくれる料亭の使い方を教えてくれます。

第2回目は、プロポーズを経てから二人の愛が最高に盛り上がる、人生最大のイベントといえば......の【料亭で結婚式】編です。

京都らしくて、特別感のある挙式はありますか?

婚礼というお二人の素晴らしい門出に、料亭を選んでいただきありがとうございます。挙式から披露宴まで、従業員一丸となって料亭らしいお手伝いをさせていただければと思います。

京都には著名な寺社仏閣がたくさんあり、そちらで挙式を希望される方も多いかと思います。竹茂楼も平安神宮とはお車で3分、吉田神社も10分ほどの距離にありますので、挙式を終えられたあと当店で披露宴を、という流れもスムーズです。
人力車を手配し、沿道の方々からの祝福の中、お二人を会場までお送りすることもできます。

人前式ですと、お薦めしたいのが「茶婚式」です。その名の通り、お茶を通してご両家の絆を深める儀式で、茶道の精神にのっとっています。
① 「お水合わせの儀」。ご両家それぞれからお水をお持ちいただき、それをひとつの釜に入れます。
② まじりあったお水を用いて濃茶を点てます。
③ ひとつの茶器に入った濃茶を、新郎新婦、ご両親と飲んでいただきます。
料亭では年間20~30件ほど茶会が開かれ、茶道とのつながりが大変深いものです。
人との出会いは一生に一度と思い、相手に誠意を尽くす意味の「一期一会」。主人も賓客も互いに敬意を抱き、場の空気を清らかにするという意味の「和敬静寂」――茶の精神が宿る「茶婚式」はとても京都らしくあり、また料亭の凛とした和の空間がより印象深い時間を生み出すでしょう。

せっかくの披露宴、とびきり華やかにしたいです!

料亭といえば「芸舞妓」というイメージがあるように、披露宴にももちろん芸舞妓を呼ぶことができます。ぜひ「祝舞(しゅくまい)」をお楽しみください。
もともと宴席での踊りは、能の世界から始まっております。宴の最初に舞うのが祝儀物といわれている演目であることから「祝舞」は生まれました。能においてはとても神聖視されている演目「翁(おきな)」のほか、脇能といって数曲それに準ずるものがあります。神様にまつわる演目......流派によりますが、たとえば「鶴亀」「寿」「白扇」なども祝儀の時にふさわしいものです。舞を通してハレの場所へ神様にお越しいただくということなのです。
乾杯の前に「祝舞」を入れるのが伝統的な流れですが、今はご来賓者のご挨拶の時間もありますので、乾杯の直後に披露することが一般的になりました。2~3曲で15分ほどです。

「祝舞」の後は芸舞妓がお席をまわります。芸妓1名、舞妓1名、地方(ぢかた)1名が最小構成になりますが、60名のご参列者に3名ですと、なかなかみなさまへサービスが行き届きません。その場合は5~6人がお薦めです。1名の芸舞妓に対して10名のお客様、という勘定がちょうどよいかと思います。
私どもは京都の五花街(祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東)すべてとお付き合いがありますので、「いつもとは違う花街の雰囲気を楽しみたい」というご要望にもお応えできます。芸舞妓体験が初めてのお二人でも、ご不安は不要です。芸舞妓のみなさんは祝宴に慣れていらっしゃいますので立ち居振る舞いも完璧で、ご参列者のみなさまの心に残る温かなおもてなしをしてくださいます。

「鏡抜き」での乾杯もたいへんおめでたく、振る舞い酒で会場がより一層盛り上がります。芸舞妓も鏡開きに参加できますので、ぜひご一緒に酒樽の鏡(ふた)をお抜きください。お写真がよりいっそう華やかになります。
別注にはなりますが、お二人の似顔絵やお名前の入った枡をご用意できます。引き出物として参列者の皆様にお持ち帰りいただけるので、よい記念品になることでしょう。

お客様からのご提案だったのですが、フラワーシャワーならぬ「折り鶴シャワー」もオリジナリティがある演出でした。お色直しで新郎新婦が再入場されるときに、ご参列者のみなさまがお二人に小さな鶴をお投げするのです。色とりどりの鶴が宙を舞う姿は可愛らしく、畳の上に広がる様子もとても美しいものでした。数え切れないほどの鶴は新郎新婦がご自身で折られ、私どももお手伝いさせていただきました。

料亭の披露宴料理ってどんなもの?

味のクオリティを求めて料亭での挙式を選んでくださるお客様がたいへん多いので、期待にお応えできるように、よりいっそう心をこめる部分がお料理です。
鯛の背骨が日の出のように見えることから、そしておめでたいということで私どもは「日の出焼き」と申しまして、一匹まるごとの鯛を目の前でお取り分けさせていただきます。パフォーマンスがありますと、印象に残りますよね。そういう意味では、VOL.1【料亭でプロポーズ】編でもお薦めしました、お客様の目の前で肉をお出汁にくぐらせお出しする、しゃぶしゃぶも楽しんでいただけます。

そしてお祝いですから煮物椀は白味噌仕立てで必ずお出しいたします。京都以外の方ですと白味噌に馴染みがございませんので、披露宴料理で初めて召し上がったという方も多いのですが、みなさまたいへん喜んでくださる人気のひと品です。

ケーキカットはできますか?

料亭でも、もちろんケーキをご用意いたします。料亭らしく抹茶味、和のデザインのケーキをご希望される方が多いですね。
なかでも1803年創業の和菓子の老舗「鶴屋吉信」さんの「蓬莱(ほうらい)」は、たいへんご好評をいただいております。山を模したおまんじゅうを、ケーキカットのようにお二人で開いていただきます。すると中から五色の小さなおまんじゅうが現れるという、趣向を凝らしたものです。このウェディングおまんじゅうは、和装にぴったりな華やかさがあり、お座敷ですと風情もあります。

新郎新婦のお友達のご発案でジャズやギターの演奏をされたり、餅つきのパフォーマンスをされたり、ということもありました。舞台がございますので、そちらをご活用いただき、オリジナリティあふれる結婚式を作り上げることができます。
折々に思い出してはお二人の仲が深まる素晴らしい婚礼となりますよう、全力でお手伝いさせていただきます。

文 竹中式子

美濃吉本店 竹茂楼

■ 美濃吉本店 竹茂楼

京都市左京区粟田口鳥居町65
昼11:30~14:00(最終入店) 夜17:00~22:00(19:30最終入店)
土日祝11:30~22:00(19:30最終入店)
定休日 不定休
075-771-4185

佐竹恭子さたけ たかこ

「美濃吉本店 竹茂楼」若主人の佐竹洋治氏の夫人。数寄屋造の本館と合掌造の別館からなる店舗は、各座敷から小川が流れる竹林の庭が望め、四季折々の京料理とともにくつろいだ時間を過ごせる。300年続く歴史ある料亭を若女将として支えるべく、日々奮闘している。

京都知新編集部推薦

Editors' Choice

「料亭」では、座敷で、床の間のしつらえ、庭の景色、女将さんや仲居さんの所作、季節の空気の色をふくめて、空間ごと「静」の美意識を五感で感じることができます。 「割烹」では、カウンターの目の前で、調理、盛りつけといった料理工程や、大将や、二番手、三番手の料理人の所作を見ながら、「動」の美意識を体感することができます。このコーナーでは、京都知新編集部のスタッフが実際に行ったことがある店の中から、【この店に行けば、そんな静と動の美意識を味わえる】「料亭」と「割烹」をご紹介いたします。

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