食知新

FOOD

BLOG京の会長&社長めし2018.11.05

「KITCHEN よし田」

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■齋藤茂(さいとう しげる)さん

トーセ株式会社 代表取締役会長
京都を代表する経営者であり美食家のひとり。世界中の有名レストランをめぐり、自らの舌でその味を見極める。タブレットやケータイにはジャンルごとに分けた飲食店の連絡先と写真が数百軒も登録されている。

齋藤さん談

 ゲームソフト開発という仕事柄、何かを企画して実行することが日常です。お客様やお付き合いのある企業の方と食事をする際は、「その方は、普段はどんな料理店に行かれているのか。好きな料理は?」を事前リサーチしたり、推理したりして、きっと喜んでもらえるだろうと思える店を吟味して選んでいます。あらかじめ、お店にその方のお好みを伝えてメニューをリクエストすることもあります。たとえば、その方が「麺が好き」ということがわかっていれば、イタリア料理店なら、「パスタ少しづつ3種類出してください」と事前に頼んでおくわけです。

 京都の店は、そんなもてなす側の気持ちを察し、きめ細かに対応してくれる店が多く、とても助かります。「おもてなし」文化が町に根付いているのでしょう。さらに言うならば、カジュアルな店であっても超高級店であっても、快く客のリクエストに応えてくれるところが、京都の店の懐の深さであり強みでもあります。

 今回ご紹介する「KITCHENよし田」さんは、おばんざい店と呼ぶのが正しいのか。気軽にうかがえるのにお料理は美味しく、女将さんのお話も楽しい店です。会社から近いこともあり、社員たちと仕事終わりに時々でかけます。

 

「KITCHEN よし田」

地下鉄四条駅から徒歩6分ほどの高辻通沿いに、齋藤さんおすすめの創作おばんざいの店「KITCHEN よし田」がある。

店主・太田紅后(くみ)さんは、「ヨシダソース」の創業者・吉田潤喜氏の実のお姉さん。趣味の料理を活かし、13年前にソースの販促を兼ねてこの店を始めた。カウンターにずらりと並ぶ大皿のおばんざいは、定番の「べっぴんサラダ」をはじめ常時21種あり、そのほとんどにヨシダソースが使われている。新鮮な野菜をふんだんに使い、手間暇かけて作られる愛情たっぷりの料理は、どれもがおいしく、ボリュームも満点だ。

そして、明るくざっくばらんな太田さんの人柄も、この店の大きな魅力。常連には齋藤さんのように企業経営者も多いそうだが、「皆さん、ここに怒られに来はるみたいです(笑)」と太田さん。栄養満点の料理と太田さんとのトークから元気をもらいに通うリピーターで、店内はいつも満杯に。早めの予約がおすすめだ。

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商店や民家が連なる通り沿いに立つ店舗。一人でも通える気軽な雰囲気もあってか、ここには地元はもとより他府県からわざわざ訪れるお客も多い。リピーター率はなんと100パーセントとか。

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ヨシダソースとお酢で作る「トリとナスビの甘酢あんかけ」(左)はご飯が進む一品。ビーツ、九条ネギなど12種の素材を使った「ベッピンサラダ」(右)は、シンプルな味わいで女性に人気。共に850900円程度。

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首に巻いた赤いスカーフがトレードマークの太田さん。59歳のときにこの店を始めたと言い、「今はこの仕事が天職やと思てます」。これまでに作った料理はなんと1500種類を超える。

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カウンターと小上がりの小ぢんまりとした店内。カウンターに置かれた色とりどりのおばんざいは、和洋中韓と、ジャンルは幅広い。お酒も飲みながら食べても一人5000円まで。一人客には5品1850円のセットも。

撮影 高見尊裕 文 山本真由美