食知新

FOOD

BLOG京の会長&社長めし2018.11.01

「祇園ゆたか」

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■齋藤茂(さいとう しげる)さん

トーセ株式会社 代表取締役会長
京都を代表する経営者であり美食家のひとり。世界中の有名レストランをめぐり、自らの舌でその味を見極める。タブレットやケータイにはジャンルごとに分けた飲食店の連絡先と写真が数百軒も登録されている。

齋藤さん談

 ゲームソフト開発という仕事柄、何かを企画して実行することが日常です。お客様やお付き合いのある企業の方と食事をする際は、「その方は、普段はどんな料理店に行かれているのか。好きな料理は?」を事前リサーチしたり、推理したりして、きっと喜んでもらえるだろうと思える店を吟味して選んでいます。あらかじめ、お店にその方のお好みを伝えてメニューをリクエストすることもあります。たとえば、その方が「麺が好き」ということがわかっていれば、イタリア料理店なら、「パスタ少しづつ3種類出してください」と事前に頼んでおくわけです。

 京都の店は、そんなもてなす側の気持ちを察し、きめ細かに対応してくれる店が多く、とても助かります。「おもてなし」文化が町に根付いているのでしょう。さらに言うならば、カジュアルな店であっても超高級店であっても、快く客のリクエストに応えてくれるところが、京都の店の懐の深さであり強みでもあります。

 肉好きのお客様をお連れするなら今回ご紹介する「祇園ゆたか」と決めています。ここのステーキは他にはない焼き加減で、ふっくらやわらかく、肉の旨味がギュッと凝縮したかんじ。若い方から年配の方、ご婦人まで、どんな方をお連れしても喜んでいただけます。この店から数々の有名店が巣立っていることも素晴らしさのあらわれです。

「祇園ゆたか」

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創業56年の老舗ステーキハウス「祇園ゆたか」。祇園町北側から南側へ移転しておよそ8年。2代目店主高田衛さんに継がれた肉焼きの技は、味に厳しい花街の食通たちを惹きつけてきた。「24歳の時に祇園の店に立ちました。当初常連さまには、父と焼きあがりが違うとご指摘いただいたこともあります」と話す高田シェフ。父に学び日々ステーキを焼き、自分なりに納得のいくステーキが焼けるようになるには長い月日を要したと言う。名物ともいえるヒレステーキは、鉄板の上にスライスしたニンニクを敷き、その上に肉を置いて蒸し焼きにする。ニンニクが焦げて肉に香りが移った頃に、また新たなニンニクを敷く。焼き具合を見て数度くりかえし、じっくりと肉に火を入れる。焼きあがったヒレステーキは、おどろくほどふわふわ。しっかりと中まで火が入っているのにジューシーで味わい深い。その美味しさはいつまでも心に残り、「また次も」と思う珠玉の味なのだ。

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黒毛和牛のヒレの部分を丁寧にトリミングして切り出していく。和牛1頭でとれるヒレはおよそ9~10kg、その中心にあるシャトーブリアンは1.2kgほどだという。

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ニンニクスライスをたっぷりと鉄板に敷き、その上に分厚いヒレ肉をのせて蒸し焼きに。

焼き加減を丁寧に見ながら、ニンニクを変え、じっくりじっくり焼くことおよそ30分。

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焼きあがったヒレステーキは、ふわふわでやわらか。噛むというより口に含んで旨味を味わうかんじ。とびきりの肉ならではの旨味と香りが広がっていく。

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2代目店主の高田衛さん。父の背中を見て肉焼きを学んだという。「いつ行っても、誰を連れていっても安心」と言っていただける店を目指すと話す。

■ 祇園ゆたか

京都市東山区祇園町南側
075-531-0476
営業時間17:30~22:00(最終入店)
不定休