BLOG京の会長&社長めし2019.01.11

ロマンライフの社長が通う店 「Restaurant MOTOÏ(モトイ)」

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■河内 誠(かわうち まこと)さん

株式会社ロマンライフ 代表取締役社長
958年京都府生まれ。父・河内誠一氏が1951年に開店した「純喫茶ロマン」を始まりに多角経営が進む。24歳のときロマンライフに入社。事業の方向転換を模索するなか、自身の発案で北山に洋菓子店「京都北山 マールブランシュ」をオープン。洋菓子の製造・販売、レストラン事業と展開していく。お濃茶ラングドシャ「茶の菓」は、京土産の定番として愛されている。

京都屈指のグランメゾン。その秘密メニューは「焼きそば」

「和食だけでなくフレンチやイタリアンでも京都にはカウンター仕様のお店が多く、私も愛用しています。そんななか、MOTOÏさんはグランメゾンとして異彩を放っている、稀有な存在です。

私は接待の時には、シーンに合わせて自分で店を選びます。お店の情報はリスト化して携帯電話に登録しているのですが、フレンチですと京都では4~5軒が定番。MOTOÏさんは夫婦同士の食事会にとてもふさわしいですね。おしゃれをして訪れた女性を、リッチな気分へ盛り上げてくれるので、男性として誇らしいです」

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豪邸の風格ある門に掲げられた、MOTOÏののれん。石畳を抜け引き戸を開けると前庭を臨むウェイティングスペースが。凛とした空気を感じながら店内へ進むと、歴史を感じる梁がはりめぐらされ、2階まで抜けた高い天井のメインダイニングが現れる。

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「築100年以上の呉服屋の邸宅を改装されたこちらは、とても広々としています。京都には町家を改装したお店が多いですが、このサイズ感はなかなかありません。隣のテーブルとの距離があるのでゆったりとでき、プライバシーが保たれるのがよいですね。一方で、ほかのお客様が楽しんでいらっしゃる空気は伝わってきます。それも心地が良いです」

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「メインダイニング一番奥の窓際が、特に好きな席です。灯篭と見事な石のお庭が目の前に広がるからです。町家はもともと畳の部屋で構成されています。そこで改装されるときに、畳の上に座った視点の高さを保てるように床を低くされたとか。テーブル席からの庭のながめはとてもきれいです」

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「基本はメインダイニングを利用していますが、大人数や大切な話がある時は、蔵を改装した個室を利用します。少々にぎやかになっても、母屋から離れているので誰にもご迷惑をおかけすることなく安心です(笑)」

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そんな蔵では「裏メニュー」が、密やかに提供されている。オーナーシェフの前田元さんは、2012年に「Restaurant MOTOÏ」をオープン。フランスで研鑽を積んだのち、ホテルオークラ京都「ピトレスク」、大阪「HAJIME」を経ての独立だったのだが、実はフレンチの世界に入るまでに、10年間の中国料理の経験を持っているのだ。それを知った常連客から「中華も作ってよ」というリクエストの声が挙がったことから、個室である蔵限定で、フレンチのコースの合間に中国料理も挟むようになったのだ。

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「予約する時に必ずリクエストしておくのが、焼きそばです。オイスターソースをベースに、焼いた細めの蒸し麺とその時々の食材が合わせられます(※写真は「海老の卵とネギの焼きそば 菊菜のあんかけ」)。コースのお肉の後に〆として出していただくと、ごま油の香ばしさが食欲を刺激して、するっと最後まで食べてしまいます。フレンチからのちょうどいい箸休めなんですよね。

ほかには、フレンチ仕立ての根セロリのソースをかけたフカヒレや、北京ダックなどもあります。これらは蔵限定ですが、麻婆豆腐は、私やほかの経営者仲間の推薦で、メインダイニングでもいただける定番になりました。ムース状の豆腐に、カルダモンやコリアンダーの入った自家製ラー油を使用したフレンチ風味で、どこにもない味わいです」

※当サイトをご覧になった方は、メインダイニングでも、プラス料金で焼きそばを召し上がることができます

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「見た目が美しく、なおかつ美味しい。そういう料理は意外と少ないと思います。でも前田さんは両方とも兼ね備えていらっしゃいます」

「蝦夷鹿のロティ たっぷりのお野菜と共に」は、MOTOÏの定番といえる肉料理。冬はジビエ、春は仔羊など季節によって肉の種類は変わる。出色はつけあわせの野菜。冬は60種類も盛り込まれる日もあるが、とりたてて野菜の数はうたっていない。

「スタッフと一緒に大原の朝市へ行き、いちばん美味しい野菜を手にしたら、こんなに集まってしまっただけなんです。意識して種類を増やしているわけではありませんので、京都を映し出す皿として、自然に召し上がっていただれば嬉しいですね」(前田さん)

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「前田さんは盛り付けにも味付けにも手を抜いていないことが、食べていてよくわかります。ムースやソースにもいつも驚きがあり、仕込みの手間を感じますね」

冬に提供される「こっぺ蟹のスープ」も、手の込んだ一品だ。じゃがいものムースの上に、蟹の腹と内子を合わせ、そこへ外子をのせて、一番上に脚を並べる。スープづくりの第一歩は、蟹の殻を昆布出汁とともにミキサーへ。次にハーブを加えて蒸す。蟹のたんぱく質が固まりクリアなスープになったらさらに漉し、煮詰め......気が遠くなるような工程を経て完成したスープを器へ注ぐ。蟹の実をほぐしながら口へ運ぶと、蟹を丸ごと食べているような濃厚な味わいが全身を包みこみ、うっとりと目を閉じ酔いしれてしまう。

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「オープン当初から通っていますが、ここ4~5年の1月2日のディナーは、毎年こちらでが定番になりました。男性陣は昼にゴルフを楽しみ、夜に奥さんたちとMOTOÏさんで合流。2018年は5組の夫婦でお正月の特別メニューを堪能しました。西洋仕立ての白味噌のお雑煮、コンソメの大福茶、黒豆のピューレなど、お正月の空気感を演出してくれる遊び心のある料理が並びます。一般的な正月料理は野菜が少ないからと、意識して野菜を増やしてくださっているのもにくいですね」

昼コース7250円(税サ別)、夜コース13,500円。蔵限定昼コース15,500円、夜コース26,000円。コース内容は毎月変わる。

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MOTOÏのテーマは「主客一体」。同じ空間に接待、ファミリー、芸舞妓と客層が混在していてもそれぞれに対応し、店と客ともにバランスの取れた楽しみを共有する空気づくりを目指している。

「接待でもお相手によってその内容は違いますよね。その部分までもくみ取ってくださっている気がします。グランメゾンですと、多少なりとも緊張感があるものです。ですがこちらではずっとリラックスして過ごせます。サービスも出しゃばりすぎず、良い意味でフレンドリー。帰り際には前田さんが笑顔で見送ってくれます」

前田さんもラブコールを送る。

「河内社長はお帰りになられるときに、いつも『ありがとう』と言ってくださいます。その『ありがとう』が本当に深く、優しさを感じるんです。河内社長の大らかで気遣いのあるお人柄に、お客様ですが惚れ惚れとしてしまいます。経営者として目標の方でもあります」

お店と相違相愛の関係を育むのも、経営者の手腕なのかもしれない。

撮影 津久井珠美  文 竹中式子

■ Restaurant MOTOÏ

京都市中京区富小路二条下ル俵屋町186
075-231-0709
昼12:00~13:00 夜18:00~20:00
定休日 水曜、木曜
https://kyoto-motoi.com/

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