BLOG京の会長&社長めし2019.04.18

京都青果の社長が通う店 「河久(かわひさ)」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は京都青果合同株式会社 代表取締役社長の内田 隆さんが通う和洋折衷の割烹「河久(かわひさ)」です。

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■内田 隆(うちだ たかし)さん

京果グループ京都青果合同株式会社代表取締役社長 兼 グループCEO
『食の総合流通サービス企業』を目指し、「世界に誇れる豊かな『日本の食文化』を支え守る」ことを使命とした京果グループ。「京の台所」と呼ばれる京都中央卸売市場内に本社を構え、国内外の青果を豊富に取り扱っている。内田氏は京都大学農学部卒、カリフォルニア大デイビス校農業経済学部大学院修士課程修了。1985年、京都青果合同入社。取締役、副社長を経て2002年から現職

接待続きで疲れた身体にも優しい、和洋折衷の割烹

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「純然たる京料理とともに、メニューにはコロッケやとんかつ、ローストビーフにハンバーグなどの洋食も並んでいます。これが心をくすぐるんですよね。花街でも河久さんの仕出しをよく利用されていて、私もお茶屋さんで洋食を盛り合わせたオードブルをお願いすることがあります。一口サイズなので、メインのお料理をいただく前にちょうどいいんです。とはいえ、お店にうかがう機会のほうが、圧倒的に多いですね」

接待相手からリクエストされることもよくあるという「河久」は、「いつ頃から通いだしたのか覚えていない」ほど、内田さんとは長い付き合いだという。

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大将の浅見亘男さんは、京都の割烹のさきがけといわれる「河繁」の次男として誕生した。「河繁」は長男が継ぎ、浅見さんは京都ホテルで洋食の修業を積むことに。そして50年ほど前に実家の「河」の字をもらい「河久」を開いた。この三条木屋町へ移転してからは約20年。今は2代目の昌男さんとともにカウンターに立ち、和洋折衷、さまざまな料理をつくっている。

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2人でうかがうときはカウンター、3人以上は奥の小上がりを利用します」

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「テーブル席に座敷、そして夏には川床もあり使い勝手がとてもいいんです」

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「河久手羽先」4880円(税込み)は、「見るからにパリッと揚がった皮はもちろん歯ごたえがよく、身はジューシー。見事な唐揚げです」と内田さんも絶賛する。これは創業当初から続く名物のひとつで、時間をかけじっくりと素揚げする。

1964年の東京オリンピックの時、浅見さんは勤めていたホテルから選手村へ派遣され、厨房で働く機会があった。そのときにインド人シェフとの交流があり、本場の唐揚げを知る。さすがインド、その唐揚げはスパイスが効いているので、そのままでは日本人の口には合わない。そこでアレンジを重ね、今の味にたどり着いたという。天ぷらだと時間がたつと衣が水分を吸ってしまうが、この唐揚げだと冷めても食感を保っている。「忙しくて食事の時間が定まらない花街や役者の方々が、いつ食べてもよいように」という浅見さんの想いがこもっているのだ。

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一見するとそうとは思えない姿の「春巻き」720円。衣の中には牛ミンチがつまっている。

「からしと酢醤油でいただきますが、餡にしっかり味がついているので何もつけずこのままでも。これも冷めても美味しい一品です」

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「京都以外からお越しのお客様に、"京都らしい"と喜んでいただけます。京都の水を使っている料理なので、地元の水との味の違いを感じていただいているのかもしれません」と、内田さんが接待の切り札にしているのが、「汲み上げ湯葉」880円。自家製ポン酢とワサビでいただく。

アラカルトのほかおまかせコースもあり、昼は5400円~、夜は7500円と10800円。

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「大将は饒舌(じょうぜつ)で、とても陽気な方です。息子さんである2代目は、顔に表れている通り真面目な性格で、とてもよくしていただいています」

取材時には大将はあいにく席を外されていたが、2代目の昌男さん(写真)が語ってくれた。

「味の好みは人によるので、私たちだけではどうしようもない部分もあります。ですが、ご家族連れでも、お友達同士でも、食べやすい料理をと心がけています。内田さんのようにお仕事でも利用される方は、ほぼ毎日の接待続きで食べ疲れていらっしゃると思います。河久には京料理だけでなく洋食や揚げ物もある、ということにホッとしていただければと。緊張させない料理と雰囲気をつくり、お仕事がうまくいく場所でもありたいです」(昌男さん)

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内田さんは京都での夜は連日連夜、接待だという。

「京都中央卸売市場が公休日の水曜は会社も休みなのですが、日中は外部との会合が入り、夜はやはり接待です。ですので日曜だけが休みなんです。でも休日はいただきものを家で食べて過ごすことも多くて......。

私は割烹、肉料理、イタリアンなどジャンルに分けた接待店リストをつくっています。これは自分のためではなく、お相手の好みに合わせてお店を選ぶためのものです。だから自分の意志でお店を決めることは、私にとってとても貴重なんです(笑)。そういうときには、やはり普段使いできる肩ひじ張らないお店がいいですね。

気に入ったお店には連続して3回は通って顔を覚えてもらいます。河久さんには芋焼酎をボトルキープしています(笑)。接待でも個人的にも使える、この万能感をとても重宝しているんです」

※価格は取材当時のもの

撮影 エディオオムラ  文 竹中式子

■河久

京都市中京区木屋町御池下ル上大阪町518
075-211-0888
11:30~L.O.11:30、16:00~L.O.21:00
定休日 不定休
https://kawahisa.com/