BLOG京の会長&社長めし2019.05.09

祇園辻利の代表取締役社長が通う店「有吉」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は祇園辻利 代表取締役社長の三好正晃さんが通う店、鮨・割烹「有吉」です。

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■三好正晃(みよしまさあき)さん

祇園辻利 代表取締役社長
1860年、宇治で創業した辻利の流れをくむ「祇園辻利」。1978年には和風喫茶「茶寮都路里」を構え、宇治茶や、宇治茶を使った菓子を販売する。抹茶のパフェやアイスクリームは、女性からの人気も高い。1997年入社、2005年より現職。毎年、お茶の味を存分に感じることのできる新作スイーツを送りだしている。

愛すべき"お子ちゃまセット"を握ってくれるご主人と、ビッググラスで乾杯!

「有吉さんで必ずいただくのが、人呼んで"お子ちゃまセット"(笑)。エビ、イカ、タコという、子供が好きそうなこのネタの組み合わせが大好きでして。こちらの海老は大ぶりで食べ応えがあります。シャリが少なめという、そのバランスもいいんですよね」

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祇園北の細い路地に凛と構える「鮨・割烹 有吉」へ、三好さんは東京や大阪、九州など各地からのお客様をお連れするという。

「接待の日程が決まったら、すぐに連絡します。有吉さんはこちらのリクエストに寄り添い、お料理の焼き加減や、出してくださるタイミングも絶妙なんです」

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「カウンターに座って、木札に書かれたメニューを見ながら、その日のいいものを相談します。最初に6~7品、焼き魚やお刺身をいただいてから、"お子ちゃまセット"です。お料理は分量がほどよいので、いろいろな種類をいただけます。奇をてらいすぎず、そのなかに意外性のあるアレンジがほどこされているお料理に、お連れした方みなさん喜んでくださいます」

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きらきらと輝く「いくらの漬け」は、三好さんにとって不動のつまみだそう。

「いくらの生臭さはいっさいなく、旨みと甘みが抜群です。こちらでしか味わえない、洗練された、素晴らしいいくらです」

三好さんはご主人・有吉秀和さんの魚の目利きに全幅の信頼を置いている。

「飲食関連の会社の方でも、北海道出身の方でも、有吉さんのお料理とお鮨をとても気に入ってくさるので、私もとてもうれしいです」

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有吉さんは鮨割烹の老舗「なか一」で修業を積んだのち、先斗町「こう一」を経て、2011年、祇園に「有吉」を開いた。三好さんと有吉さんは出会って10年ほどになるが、なか一の時代から有吉さんが作り続けていたものが、おふたりの縁をつないだ。それはなにかというと――。

「ある日、友人の誕生日を祇園でお祝いしたんです。何次会かでスナックに落ち着いたころには、バースデーケーキにも少々飽きていました。するとそこに現れたのは、ケーキのように華やかなお鮨だったんです。"バースデー鮨"とでもいいましょうか、その美しい姿に見惚れてしまいました。そのうえ、味もとてもいい。『この見事な鮨を作った人は、いったいどんな方だろう?』と興味を持ったのがきっかけです」(三好さん)

「祇園のおかあさん方のお誕生日に、ケーキ以外に何か洒落たものはできないか、と考えついたのが"鮨ケーキ"でした。手まり寿司を型どりして重ねたり、マグロで花を作ったり、そこへ主役の方のお好きなネタをのせるなど、見た目も味も楽しんでいただける鮨で、今でもお作りしています」(有吉さん)

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「鮨ケーキでもわかるように、有吉さんのお料理はとても繊細です。でも、人柄は豪快なところもあって、お酒の飲み方がユニークなんですよ」と、その光景を思い出しながら、三好さんは楽しそうに話してくださった。

「私は夜8時半を過ぎると、お酒を解禁するんです。毎晩、2リットル入るこの大きなグラス(写真右)で、ハイボールを3杯はいただきます(笑)。もともとは、ガラス造形作家の狩野智宏さんに作っていただいた1リットルのグラス(写真中央)でいただいていたところ、しだいに大きなグラスで飲むスタイルが噂になって、今ではお客様は狩野さんのグラスで、私は2リットルのグラスで乾杯しています(笑)」(有吉さん)

グラスも大きければ、ウィスキーもソーダも氷もビッグサイズだ。そんな有吉さんは、何よりも人とのつながりを大切に想っている。

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「狩野さんに1リットルのグラスを作っていただけたのも、人間国宝の陶芸家・近藤悠三先生の次男・濶(ひろし)先生の陶芸教室に通っていたことからご縁ができて、濶先生のご子息である高弘さんがお願いしてくださったからです。私は近藤先生の器が好きで、この"お子ちゃまセット"のお皿は、濶さんの作品です。

お客様ともご縁、ご縁でつながっています。これはなか一の親方から学んだ姿勢です。"誠心誠意"が何よりも大切だと。

三好社長も、まさに誠心誠意の方で、寛大な心で私を受けとめてくださいます。それこそ私が飲んで少々羽目を外しても、いつも笑顔でいらっしゃって、本当にありがたいです」(有吉さん)

"お子ちゃまセット"をいただいたあとの三好さんの〆は、わさび強めのかっぱ巻きだ。「わさびは解毒作用もあるので、強めが好きなんです」という三好さんは、温かくて、繊細で、わさびのようなパンチもある有吉さんだからこそ、魅了され続けているのだろう。

撮影 鈴木誠一  文 竹中式子

■鮨・割烹 有吉

京都市東山区祇園町北側282-5
075-541-5639
11:30~14:00、17:00~23:00
定休日 日曜

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