BLOG京の会長&社長めし2019.08.29

明清建設工業株式会社の副社長が通う店「煕怡 Kii」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は明清建設工業株式会社 副社長の本間 満さんが通う店、「煕怡 Kii」です。

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■本間 満(ほんま みつる)

明清建設工業株式会社 副社長
群馬県生まれ。日大卒業後に祖父が創業した「明清建設工業株式会社」に入社。 以来、営業を中心に勤め、現在は副社長と営業本部長を兼務。趣味は美味しいものを食べることと読書。休日には、嵐山で英語の観光案内ボランティアとして活動している。最後の晩餐は、「草喰なかひがし」の松茸ご飯。白いご飯に焼き松茸が乗ったシンプルなご飯だが、ご飯の塩加減や松茸の香ばしさが抜群に美味しくて、忘れられない。秋になったら食べにいく一品。美味しいものを長く食べるためにも、歩くなど運動もして健康でいたい。

季節を味わうクリエイティブな一皿と憩う隠れ家的な一軒

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四条烏丸近くの呉服関係の会社が集まる一角。仏光寺通にある細い路地を進んで左手に見えてくるのが、本間さんが推薦する「煕怡 Kii」だ。

「以前は伏見区中書島で『センプリチェ』という店名でやっておられました。フードコラムニストの門上武司さんにご紹介いただき、伺ったのが最初でした。

中心部から離れた場所にあるにもかかわらず人気店で、食通の方々が通っておられました」(本間さん)

「センプリチェ」は2013年のオープン。イタリア各地や京都でイタリア料理を学んだオーナーシェフ・西山哲平さんの独創的な料理が評判を呼び、多くのファンを獲得。それから多くの常連客の要望もあり、今年5月、店名も新たに移転することとなった。

「本間さんはオープン1年目から来てくださっています。ロータリーの会で使われることがほとんどですが、ご家族で来られることもあります。前の店から来てくださっている方は、ほとんど1年目からのお客さんですね」と西山さん。「街中に移転され、行きやすくなりました」という本間さんのように、今回の移転は皆から喜ばれているそうだ。

_EDY3352.JPG「カウンター7席ほどのお店なので、貸し切りにして友人たちと楽しみます」(本間さん)

古い長屋を改装した店に足を踏み入れると、外とはガラリと様相は異なり、カウンターのみのシンプルモダンな空間が迎える。

メニューは15000円からのコースのみで「季節感もありどれもおいしい」と、本間さん。

西山さんの料理は素材ありき。季節の素材を生かすことに重点を置き、オリーブオイルやニンニク不使用の、イタリアンの枠を超えたものになっている。「イタリアン畑でやってきたのでパスタもありますが、ジャンルは固定していません。何料理かと言われたら、僕の料理という感じです」と、西山さん。素材を重視すればするほど、イタリアンという枠組みが窮屈になってきたと話す。「イタリアンでは僕がやりたいことをしきれない。じゃあ、何料理としなくても、自分が思うおいしい料理ができればいいかなと」。

京都の意欲的な若手農業者が作る野菜や、信頼のおける錦市場の魚屋が扱う魚介など、いい素材と出合い、その生かし方を見直して試行錯誤を重ね、今の料理スタイルに行きついたという。

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コースの献立表は、「スープ 牡蠣 ゴーヤ 青海苔」「但馬牛 パプリカ 実山椒」という具合に、使う主素材のみ記載されている。「既存の料理じゃないので、素材以外に書きようがなくて」(西山さん)。書かれた素材から何が出来上がるのか、あれこれ予想しながら待つこともここでの楽しみだろう。

写真は、7月のコースの一品「鮑 万願寺 モロヘイヤ」。この日の鮑は小浜産。長時間かけてやわらかくした鮑に、昆布だし入りの万願寺唐辛子のペーストと刻んだモロヘイヤを合わせた一品だ。鮑の食感と磯の香り、まろやかな万願寺のコク、アコヤ貝の旨味を含んだモロヘイヤ。それぞれの豊かな味が重なり合い、余韻が続くおいしさに。「鮑って料理の仕方が大体同じなので、今までにない食べ方を提案できたら」(西山さん)。油を使わず、余計な手をかけず素材の味を引き立たせた料理の数々は、和食に近いものがある。

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コースの最後に登場する、本間さんもおすすめのパスタ。

「パスタはいろいろな種類を上手く組み合わせて巧みに出してくださる。いつも『今日はどんなパスタが出るだろう』と楽しみにして伺います」(本間さん)

毎日手打ちするタリオリーニを使ったパスタは2種類あり、3つのサイズからチョイスできる。「1つは野菜系で、魚介を使ったパスタなどを組み合わせています。どちらか1つにすることもできますが、皆さん大概2種類食べはりますね」(西山さん)。写真はアルギット栽培によるフレッシュトマト、塩、水だけで作るトマトのパスタ(大30グラム)。歯切れのいいパスタの食感と、トマトの甘味と酸味、旨味を楽しむシンプルな一品だ。

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器は現代作家のものが中心。「僕は、意味のないものをのせるのが嫌で、白い皿だとまったく映えへん料理を作ることが多いんです」と、西山さん。それだけに器の存在は重要だという。

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ここでは日本酒も10種類ほど用意。「ワインだけでなく、日本酒にも合う料理ばかりなので、ワインをボトルで頼んで、料理によって日本酒を一杯飲んでいかれる方が多いですね」(西山さん)。写真の山形の四蔵元で造る地酒「山川光男」や、幻の伊ワイン「バローロ・リナルディ」(非売品)など、レアものに出合えることも。

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「食べたり飲んだりすることが好きな友人たちとカウンターに座り、店主と食材や料理について話しながら料理をいただく時間は至福です。奥様とお二人でやっていらっしゃるのですが奥様が可愛い方で、お話も楽しい。お目にかかるのが楽しみです」と、店の魅力について語る本間さん。

その言葉に西山さんは、「僕がカウンターを好きなのは、お客様と会話がしたいから。かしこまっているのは嫌いですし。本間さんはすごく気さくな方で、壁なく接してくださるんです。うちの奥さんも気に入ってくださってて。彼女は人見知りなんですが、本間さんのことは大好きで、よく会話が弾んでいます(笑)。お客様は本間さんのように人生経験豊かな年上の方がほとんどで、お話も面白く、教えていただくことばかりです」。

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ちなみに、「煕怡」という店名は、中国の吉語だという。「和やかに集っているさまを表したおめでたい言葉だそうで、短くて語感もいいし、選びました。この名前が表すように、楽しく過ごせる雰囲気の店になれば」と西山さん。和やかなプライベート感のある空間で、これからどんな料理で愉しませてくれるのか、さらなる期待が膨らむ一軒だ。

撮影 エディオオムラ  文 山本真由美

■煕怡 Kii

京都市下京区仏光寺室町東入釘隠町242
090-7098-4392
18時~(応相談)
休 日曜、月曜 ※前日までに要予約

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