BLOG京の会長&社長めし2019.09.18

川崎機械工業株式会社の社長が通う店「阿さひ エ リヴ・ゴォシュ」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は川崎機械工業株式会社社長の林 誠一郎さんが通う店、「阿さひ エ リヴ・ゴォシュ」です。

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■林誠一郎(はやし せいいちろう)さん

1971年京都市生まれ。航空機などの歯車や部品製造を手掛ける川崎機械工業(株)代表取締役社長。在日フランス商工会議所アンバサダー、オハイオ州立大学歯車研究所スポンサー、同志社大学アートインビジネス研究会研究委員など数々の肩書をもつ。蒔絵作家、浅井康宏のスポンサー。空手初段、テコンドー3段、ボクシング歴5年という肉体派でもある。2017年夏は、ご子息が祇園祭長刀鉾の稚児を務めた。外食は週4回。最後の晩餐は、マルゲリータピザと赤ワイン。

ワインが進む小皿も充実。和やかな雰囲気の中で優しいフランスの味を

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「同い年のオーナーシェフが腕をふるう店で、彼は私のいい相談相手でもあり、普段から食事のわがままを聞いてくれるセンスあるお友達。そこで活躍するソムリエの翠ちゃんのことも応援しています」(林さん)

店を選ぶ際は、「安心できて、人間同士のつきあいができるところを重視する」という林さんが通う「リヴ・ゴォシュ」は、オーナーシェフ・小梶文久さんが2002年に始めたフランス料理店。長く川端二条で人気を博していたが、2015年に千本丸太町にある実家のうどん屋と合体するかたちで、移転リニューアルオープンした。平日の夜と土日はフランス料理「リヴ・ゴォシュ」、平日の昼はうどん屋「あさひ」というユニークな営業形態をとっている。

「前の店に水回りの不具合などがあり、移転を考えていたときに、両親が体調を崩したんです。両親も高齢なので、いろいろ考えてこの機会に一緒にしました」と、小梶さんは説明する。

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小梶さんは、高松や京都のレストランで修業した後、渡仏。ロワール地方トゥールや、モンペリエ郊外にあるレストランなどで経験を積んだ。そのフランス時代の友人が、林さんと共通の友人で、林さんはそれが縁でこの店に通うようになったという。

「川端二条に友達の友達がやっている店があることは聞いていました。本場仕込みのフレンチのコースが食べられると。でも友達がなかなか連れて行ってくれなくて。それで痺れを切らして、家内と一緒に行ったのが最初です」(林さん)

小梶さんは、当時を振り返る。「林さんとは共通の友達が3人ぐらいいて、20歳くらいのときから林さんのことは聞いていました。その後、日本に帰って独立して。林さんは今から10年近く前だったと思いますが、ひょっこり店に来てくれました。『やっと来れたわ』って(笑)」

以来、林さんにとって、週に数回訪れたりするほどのお気に入りの店になったようだ。

「川端の店では昼にお客さんを連れて行ったりしました。昼も夜も行くようになったら、共通の友達もいるのでいろんな話をして、短期間ですごく仲良くなりましたね」(林さん)

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町家の細長い空間を活かした店舗は、入ってすぐのところにシックなカウンターがあり、奥はテーブル席になっている。

メニューはコースとアラカルトがあり、「食材はフランスからも仕入れますが、主に日本産のクォリティの高いものを選んでいます」と、小梶さん。数種類の自慢のテリーヌをはじめ、クラシックなものが中心の料理は、フランス人客にも高い評価を得ている。アラカルトには、砂肝のコンフィや蝦夷鹿のパテなど、ワインのつまみになる小皿料理が充実しているのもうれしいところだ。

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林さんは、小梶さんの料理について、こう評する。「彼の料理は愛情を感じるというか、味がすごく優しいんです。以前、パリの航空ショーに行くことがあり、アパートで10日間過ごしたんですが、来客があるときは現地の有名シェフを呼んで近所で調達した食材で料理を作ってもらったんです。彼の料理はそのシェフが作る味に近いと思います」

今一番のお気に入りは、「仔鳩のパイ包み焼き」。「すごくビターな感じと、甘い感じと混ざったような味が、赤ワインにぴったりです」(林さん)

仔鳩の手羽先や内臓などのミンチと、ホウレンソウを巻いた胸肉をパイ生地で包んで焼いた一品で、仔鳩が手に入るときは、数量限定のおすすめメニューとして登場するそうだ。

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フランス産ミューラル種の鴨を使った「マグレ鴨のロースト」も、林さんがよくオーダーする一品。「甘めのソースがかかっていて、さっぱりしているけれど重みのある感じです。ここはデザートまで全部彼が面倒を見てくれるので、満足度が高いです」(林さん)

鴨肉は程よい噛みごたえでしっかり旨味が感じられ、酸味を抑えたソースとよく合う。「煮詰めた赤ワインに野菜と鶏ガラのブイヨンを加えたソースで、野菜の甘みがよく出ていると思います。この料理はブルゴーニュの赤ワインと合わせるのがおすすめです」と、小梶さん。

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林さんは季節のスープもおすすめに挙げる。「スープの真ん中にのった塩胡椒の加減が抜群にいい。コクがあってさっぱりしていて、尖ったところがまったくない優しいお味です。家内の両親も大喜びでした」(林さん)

写真はかぼちゃ、にんじん、玉ねぎが入った「かぼちゃのポタージュ」。林さんの言葉通り、牛乳を使ったポタージュはまろやかな優しい味わいで、カマルグの塩と潰したミニョネット(胡椒)がアクセントに。「年末年始は聖護院蕪のポタージュにピンクペッパーをのせて紅白にしたりしますね」と、小梶さん。

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ソムリエの翠さんが担当しているという自家製パンも好評。「パン・ド・ミというパンを出しています。しっとり系で甘味があって、テイクアウトされるお客さんも結構おられます」(小梶さん)

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「ソムリエの翠ちゃんがセレクトしたワインも、コストパフォーマンスが高いです」と、林さん。小梶さんは近くの町家でフランス産ワインの販売も手掛けており、店でもボトル4500円から楽しめるという。

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林さんはここには一人で訪れることが多いといい、「どこかへ行く前に、『寂しくなったし寄ったわ』とか、『お腹すいてるし、何か食べさせて』という感じで行ったりします。わがままを聞いてくれますし、胃の調子が悪いときは、胃に優しいものを出してくれたりして、私はいつも彼の料理には愛情を感じます」

その言葉に小梶さんは、「二人ともそろそろ病気があってもおかしくない年なんで(笑)。お客さんの体調や好みにはできる限り対応します。子供さんにはスープをぬるめにしたり、味を薄めにしたり、年配の方は量を減らしたりと、求められれば何でも対応しています。食卓が和むほうがいいし、楽しんでもらうことが目的なので」とにこやかに答えた。

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在日フランス商工会議所のアンバサダーを務める林さんは、以前、京都府とフランスの企業関係者との会食をこの店で行うことを企画し、小梶さんと「割烹いがらし」の五十嵐さんとのコラボ料理を用意してもらったことがあるという。そんなことからも、林さんのこの店と小梶さんへの信頼の大きさが伝わってくる。

撮影 瀧本加奈子  文 山本真由美

■阿さひ エ リヴ・ゴォシュ

京都市上京区千本丸太町上ル東側小山町871
075-841-9912
フレンチレストラン リヴ・ゴォシュ 平日17時30分~22時(LO)/ 土日11時30分~15時、17時30分~22時(LO)
不定休
※うどん「あさひ」は平日11時30分~15時、土日休
http://www.eonet.ne.jp/~rivegauche/

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