BLOG京の会長&社長めし2020.04.14

株式会社西利の社長が通う店「ぎおん 佐藤」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は株式会社西利社長の平井誠一さんが通う「ぎおん 佐藤」です。

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■平井誠一(ひらい せいいち)さん 

1967年京都生まれ。大学卒業後、山本海苔店に勤務した後、京つけもの西利へ入社。 取締役営業部長、代表取締役専務を経て2013年代表取締役社長に就任する。「旬 おいしく、やさしく。」をモットーに和食文化を大切に食卓に健康と笑顔をお届けすることを目標にしている。和食の基本である「ごはん」を美味しく食べてもらい、和食を楽しんで頂けるように「京つけもの西利」「酵房西利」のブランドを活用し、漬物だけでなく西京漬や総菜など様々な提案を行う。 また新たに「京都発酵食研究所」を設置し、これまで培ってきた西利の発酵食の知見と技術を活かして「発酵生活」や「乳酸発酵甘麹AMACO」などのブランドを活用して調味料、ドレッシング、スープなど、現代の食生活に即した提案も行う。
最後の晩餐は、宮川町「ポパイ」のレモンチャーハン。

吟味した素材で作る逸品の数々。わがままなオーダーにも応える懐の深さも魅力の鮨割烹

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花街・祇園の南側。花見小路通を西に入った一角は、表通りの喧騒が嘘のように、落ち着いた雰囲気を漂わせる。
平井さんが通う人気の鮨割烹「ぎおん 佐藤」は、そんな静かな小路沿いに立つ。

「お寿司屋さんですが、お寿司以外のアラカルトメニューも充実しているのが気に入っています。焼き物、煮物、天ぷらなど、普通の和食割烹として成立するほど豊富にあって、しかもお寿司はとびきりおいしい。だから、お寿司のおいしい高級居酒屋のような感覚で使うことも多いです」(平井さん)

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店は築100年以上の町家を改装。1階は庭を望む白木のカウンター、2階は個室を備え、美味いものをよく知る人々が訪れる。

「カウンターが好きなので、お客様か友人と、23人で行くことが多いですね。宴会のときは2階でおまかせを頼みますが、普段はカウンターで一品を楽しみます」(平井さん)

創業より寿司と割烹料理を中心としたスタイルで、アラカルトやコースのメニューを提供。お薦めの甘鯛の昆布締めや穴子などの寿司をはじめ、甘鯛と野菜のあんかけ、自家製からすみなど、選りすぐりの食材を使った品で楽しませる。春なら筍、ハマグリ、白魚など、季節物が定番に加わる。

「京都の人は、お酒と一緒に一品料理を食べてから、最後にお寿司を頼まれることが多いですね。平井社長もお酒を飲まれるので、おつまみになるものをお出ししています」と、主人の佐藤龍幸さん。

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佐藤さんが店を開いたのは2007年。京都ホテルオークラの京料理店「入舟」で13年間腕を磨いた後、独立。2015年に店を切通しから今の場所に移した。

平井さんは、ホテル時代から佐藤さんの寿司のファンだったという。

「京都ホテルの改装で『入舟』に寿司カウンターができて、ホテルへ行く際はよく利用していたんです。数人いる板前さんの中でも佐藤さんの握るお寿司がおいしくて、彼が入る日を狙って食べに行っていました。それから独立されて、こちらに通うようになって。だから25年ぐらいのお付き合いになります」と、平井さん。

佐藤さんも、
「平井社長とは、ご結婚される前の頃にお会いしたのが最初です。お店を出す際、ご連絡を差し上げていなかったんですが、店が雑誌に載ったのを見て来てくださいました。以来、本当に可愛がっていただいています」と、振り返る。

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佐藤さんは、お客から品書きにない料理を注文されることも多いという。

「急に親子丼作って、とかいわれる方もおられます(笑)。今はお店主導のところも多いですが、うちはお客さんのわがままやご要望は、できる限り聞いてあげたいと思うんです。」

そうした"お客様第一"の姿勢は、ホテル時代から変わらない。即興でお客を満足させる料理に仕立てられるのも、佐藤さんの技術とセンスあってのことだろう。

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「何を頼んでもはずれがない」と、平井さん。店で必ず頼むのが、炙った煮穴子で仕立てる「つまみ穴子」3500円。

「穴子をキュウリやたくあんと一緒に巻いて食べさせてくれます。食感や風味の違うものがうまくミックスされて、トータルでおいしい。それも技ですよね」(平井さん)

穴子はかつぎの魚屋から仕入れる明石の300グラム以上のものを使用。肉厚で脂がのったとろけるような煮穴子、キュウリ、たくあん、大葉、海苔のバランスが絶妙で、至福の味わいを楽しめる。一切でも満足度が高い逸品だ。

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お店の定番の一つ「トロたく」1300円も、平井さんお決まりのメニュー。

この日のトロは和歌山産。とけるようなトロの甘味とたくあんの程よい塩気のコンビネーションが抜群で、お酒が進む。

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平井さんは、その日の気分で日本酒か焼酎を楽しむという。

日本酒は宮城の「日高見」や静岡の「初亀」、群馬の「龍神」など、純米酒や純米吟醸を中心に常時1516種揃える。

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メニューにはお客の要望から生まれたものがいくつかある。その代表的なものが、平井さんが「たまらなくおいしい。締めに必ず食べます」と薦める「牛肉しぐれ丼」1800円だ。

黒毛和牛を使った一品のしぐれ煮に、ネギやミョウガ、胡麻、卵黄をトッピングした丼で、柔らかなしぐれ煮の甘辛さに卵黄のまろやかさが加わり、豊かな味わいに。ファンが多いのも頷ける。

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「佐藤さんとは冗談ばかり言い合っています。長い付き合いなので、気兼ねが要らず、居心地がいい。あれだけおいしい料理を出されるのに、気取っていないのも気に入っているところです」(平井さん)

店のもてなしについて、「常連の方もそれぞれ食べるリズムやスタイルが違いますから、それを把握して、スムーズにお出しできるように準備しています」と、佐藤さん。堅苦しさを感じさせない雰囲気のなかで、好きなものを思い思いに楽しむ。そんな食事の心地良さも、細やかな心配りから生まれているのだろう。

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「一緒に行った人は皆、喜んでくれて、お客さんになっていかれます。中には僕より頻繁に通う人もおられます」との平井さんの言葉に、

「ありがたいですね。これからも、気持ちよく食事をしていただき、帰るときにまた来たいと思っていただける店でありたいと思っています」と、佐藤さん。

その巧みな料理の技やお客に寄り添うもてなしの心で、更にファンを増やしていくに違いない。

予算は15000円~20000円程度。

撮影 エディ・オオムラ  文 山本真由美

■ぎおん 佐藤

京都市東山区祇園町南側570-118
075-531-8811
営業時間 17時~21時(入店) ※要予約
定休日 月 
http://www.gion-sato.com/

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