BLOG京の会長&社長めし2020.05.23

株式会社福寿園の社長が通う店「鮨嵩(すしたか)」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は株式会社福寿園社長の福井正興さんが通う「鮨嵩」です。

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■福井 正興(ふくい まさおき)さん  

1971年11月、京都府生まれ。同志社大学商学部94年3月卒業、同年4月株式会社福寿園入社。入社後2年間、農林水産省 野菜・茶業試験場にてお茶づくりの基礎を学ぶ。同社専務取締役営業本部長、同社代表取締役副社長等を経て2013年5月、同社代表取締役社長に9代目として就任、現在に至る。
株式会社福寿園は、寛政2年(1790年)に福井伊右衛門が京都・山城に創業した宇治茶の老舗。以来、この地で「無声呼人」(むせいこじん/徳のある人のところには呼ばれなくても人が集まる)の家訓のもと、茶一筋に歩み続けている。伝統を守り育てる一方で、ペットボトル「伊右衛門」やネスレ「スペシャルT」の開発や海外展開など革新的な取組みによって日本の茶業界を牽引している。また、2011年には公益社団法人日本青年会議所の第60代会頭を務め、同年に発災した東日本大震災復興に尽力した。 お茶の販売店だけでなく、お茶づくり体験ができる施設やお茶を使った飲食店なども運営している。
最後の晩餐は、分厚い赤身のステーキを。締めくくりは一碗の抹茶で。
体験施設 宇治工房、CHA遊学パーク他
http://www.ujikoubou.com/guide/index.html
http://www.fukujuen.com/company/cha.html
飲食店 京都本店3階「シェ・ナカノ」(お茶を使ったフレンチ)、茶寮 FUKUCHA(新感覚の宇治茶カフェ)他
http://www.fukujuen-kyotohonten.com/3f/index.html
https://fukucha-fukujuen.com/

名物「なみだ巻き」など、天然魚を使った美味い寿司や一品をほろ酔い気分で楽しみたい

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「ここも本当に親しい人しか連れて行かないお店。元々錦市場の近くで営業されていて、最初に行ったのは、多分移転される前だったと思います。今は夫婦でやっておられるんですが、結婚された時に披露宴でスピーチしたことを覚えています。お寿司はいい素材を使っていておいしいし、気取っていないところがいい。少なくとも月一回は行っていると思います」(福井さん)

普段から食事はほぼ外食だが、同じ店に行くことはあまりないという福井さん。そんな中からここで紹介していただいた2軒は、共にプライベートでも通っている数少ない店。とりわけ祇園にあるこの「鮨嵩」は、「唯一、一人でふらっと行ける」隠れ家的な存在だという。

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賑やかな四条通から大和大路通を南へ進み、一つ目の小路を入ったところの小さなビルの1階。主人の衣川芳知さんが、奥さんやスタッフと切り盛りする店は、8席のカウンターと、8席の小上がりのみの空間で、いつも地元の常連客や観光客で盛況だ。

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「福井さんとはもう15年くらいのお付き合い。最初は青年会議所の関係で来られたと思いますが、それから仲良くしていただいています。大きな会社の社長さんなのに、友達に会いに来るような感じで気楽に来てくださるのがうれしいですね。お顔が広いので、いろんな方を連れてきてくださいます」(衣川さん)

京都市出身の衣川さんは、大阪の寿司店で約10年修業した後、1997年に寺町蛸薬師に「すし屋のやまたか」をオープンし、人気を博す。その後、祇園北側に移り、10年前からは店名を改めて現在の場所へ。ミシュランガイド2017ではビブグルマンに選ばれている。常連の大半は企業経営者や自営業者で、競走馬の馬主や騎手なども訪れるという。

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高級寿司店ばかりが集まるこの界隈で、1万円前後で楽しめるというリーズナブルさだが、使用するネタに妥協はない。毎日5軒ほどの業者から吟味して仕入れる天然ものが基本で、「高級店と遜色ないものを使っています」と、衣川さん。

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メニューはアラカルトのみで、日替わりの品書きから好きなものを頼むスタイル。割烹のように季節の一品も豊富で、常連の多くはホワイトボードにあるその日のお薦めから注文するという。

これからのお楽しみはやはり鱧。鱧の落としのほか、予約で鱧の鍋や棒寿司も登場する予定だ。

「お造りをはじめお薦めの一品をいろいろいただいてから、お寿司を頼みます。ここは握りも得意なんですが、僕は細巻きが好きでそればかり頼んでしまうので、握りまでいけない。その繰り返しで、もう何年も握りを食べていないんです(笑)」と、福井さん。

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創業以来の名物として有名なのが、「なみだ巻き」1/21900円。ネギトロを裏巻きにして、表面にわさびをたっぷり塗ったボリュームある一品で、福井さんも必ず頼むという。醤油をつけて一口で味わうのがお薦め。

「抹茶ロールケーキのように、外側がほぼわさびになっていて、初めて行った人はびっくりします。不思議なことにそんなに辛くなくて、すごくおいしいんです」と福井さん。

その言葉通り、口の中でトロの脂にわさびの辛みが中和され、とろけるような味わいに。ネギの風味も食欲をそそり、いくらでもいけそうだ。

寿司ネタなどに使用する鮮魚は、産地を決めずにその時々のいいものを選び、米も毎年業者と相談しながら新潟、丹波、滋賀など、産地を変えているという。

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寿司屋では珍しい定番メニューの「かき揚げ」1260円も、福井さんお気に入りの一品だ。

「揚げ物が好きなので、かき揚げは絶対頼みます。その季節のものを上手に食べられる感じです」(福井さん)

写真は海老、ホタテ、玉ねぎ、三つ葉のかき揚げ。かき揚げの内容はその時期によって変わる。新鮮な旬の素材の旨味が詰まったかき揚げは、香ばしく、食べ応えも十分。

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福井さんは、いつもカウンターで一品を肴に好きな酒を楽しむという。

「ビールやハイボール、あと調子のいい時はなぜかあるテキーラを頼みます。大将もお酒が好きなので、店でよく一緒に飲みます。たまに飲みすぎて迷惑もかけることもあります(笑)」(福井さん)

写真は店主お薦めの奈良の酒「春鹿」と、常連に人気のテキーラ「オルメカ」。寿司屋でテキーラを置いているというのもユニークだ。

「テキーラはたまたま好きな友達が多いので置いているんですが、それを福井さんが見つけて飲まれるようになって(笑)」と、衣川さんは説明する。

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マナーが悪かったり周囲に迷惑をかけたりするお客には厳しいという衣川さんだが、信頼関係ができてしまえば、「こんな食べ方をしたい」といったわがままにもできる限り応えてくれる。そうしてお客と共に作り上げてきた温かく楽しい雰囲気も、ここでは欠かせない魅力となっているようだ。

「大将は一見とっつきにくそうですが、非常に心優しくて人当たりが良いところが僕は好きなんです。僕が心を許せて、困った時に頼れるお店です」(福井さん)

平均単価は8000円~1万円。たくさん飲む場合は15000円~2万円程度見ておく方がよいだろう。

撮影 エディ・オオムラ  文 山本真由美

■鮨嵩

京都市東山区大和大路四条下る大和町21-1
075-531-6010
営業時間 16時~23時(LO22時) ※予約がベター
定休日 不定休

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