BLOG京の会長&社長めし2020.07.13

株式会社野村佃煮の社長が通う店「竹香(たけか)」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は株式会社野村佃煮社長の野村啓介さんが通う広東料理店「竹香」です。

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■野村 啓介(のむら けいすけ)さん 

1969年9月生まれ。大学卒業後、ケンコーマヨネーズ株式会社に入社、その後株式会社野村佃煮へ入社。同社専務取締役、2014年に同社代表取締役社長に就任。
最後の晩餐は、自分で漬けた梅干し入りの海苔巻きおにぎりと、ゆで玉子。

幅広い世代から愛される、祇園育ちのはんなりやさしい味わいの広東料理

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仕事関係での外食が多いという野村さんがおすすめに挙げたのは、20年来のなじみの店という「竹香」。祇園・新橋通の橋のたもとにあり、芸舞妓から地元の家族連れ、観光客など、さまざまな人に長く親しまれている。京都には、「京風中華」と呼ばれるような独自の中華のスタイルがあるが、その先駆けともいえる一軒だ。

「昔から会合などでよく行かせてもらっています。中華料理ですが、ニンニクとか八角とかは入っておらず、味もあっさりとしていてしつこくないんです。僕は本格的な中華らしい中華も好きですが、ここの中華料理もそれとは違ったおいしさがあります」(野村さん)

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創業は昭和41年。四条河原町の老舗広東料理店「芙蓉園」で修業した初代が、現在の場所で始めた。

「まだ町場の中華料理屋が少なかった時代。私の祖母が祇園甲部のお茶の先生をしていて、芸舞妓さんたちが皆、食べに来てくれていましたし、この花街に根付くのも早かったようです」と、2代目で女将の永田由美子さん。両親が始めた店を引き継ぎ、料理長の夫・真司さんらと共に、その味を守り続けている。

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創業当時、お客の多くは祇園で夜の仕事をしている人々。「竹香」の料理のスタイルは、彼らのリクエストに応えるかたちで作られていったという。

「お仕事前に来られるお客様から、においの強い野菜は使わないでほしい、香辛料を控えてほしいなど、いろんな注文があって。最初、父は『こんなんで中華料理はできひん』と思ったそうですが、ここで営業するのだったらと思い直し、それに合わせた料理を考えて作っていったんです」(由美子さん)

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1階はテーブルや小上がりの席で、アラカルト中心。2階は56名までの宴会も可能な座敷で、コース料理を楽しめる。贔屓客には企業経営者など地元の旦那衆も多い。

「昔からJC(青年会議所)やロータリークラブなどのご利用が多く、会社のご接待や商談などに使われることもあります。野村さんは、JCの会合などでよくお見えになりますね。その時は宴会の対応があるのでゆっくりお話しはできませんが、プライベートでお友達と来られる時は、よくお互いの新商品の感想などを言い合ったりしています」(由美子さん)

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上品でやさしい味わいの竹香の料理は、1歳から90代まで幅広い年齢層に親しまれている。

「離乳食が終わったぐらいの赤ちゃんが、ふかひれスープをご飯にかけて食べたりします。またご高齢の方も『ここだったら、お腹一杯食べても胃がもたれないから安心して来られる』と言ってくださいます」と、由美子さん。

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「皮のふわっとした柔らかい食感がいいし、素材の味がしっかり感じられて、ものすごくおいしい」と、揚げ物好きの野村さんが絶賛する「春巻き」1人前800円(写真は2人前)は、芸舞妓にも好評の看板メニュー。卵と強力粉を使った自家製の皮は、外側がパリッと、中はふっくらとした食感が絶妙で、ぎっしり詰まった豚肉、筍、椎茸、海老、カニなど野菜多めの具材の味もバランスがいい。サイズも小ぶりで、いくらでも食べてしまえる。

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「すぶた」1人前900円も、創業以来の代表的な一品。

「あんにすごく透明感があって、さらっとしている。酸味も強くなくておいしいです」と、野村さん。小さく刻み、衣をつけて揚げた豚もも肉、カリフラワー、パイナップルのみというシンプルさ。まろやかな甘さのあんに肉の旨味が際立つ。この酢豚と春巻きは特にファンが多く、コースに入っていないとお客からクレームが来ることもあったそうだ。

一品ではほかに蒸し鶏やふかひれスープなども人気だという。

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ガラナエキスを使ったすっきりとした甘さの「ダイヤモンドガラナ(ガラナ)」や「ダイヤレモン(サイダー)」などの珍しいソフトドリンクも、隠れた人気の品。

「ガラナはビールのような色をしていて、昔はビールの代用品として飲まれる方もいらっしゃいました。『子供の頃からここでこれを飲むのが楽しみなんや』というお客様もおられます」(由美子さん)

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「おもてなしについては、企業の方であれば、とにかく商談がうまくいくように邪魔をせず、緊張されている場合はその場の雰囲気を和らげるように努めています。ご家族で来られた時でも、ご自宅と同じようにくつろいだ気持ちで召し上がっていただけたらと思ってやっています」と、由美子さん。

そうした温かみのある雰囲気もあってか、ここでは誕生日や結婚記念日など家族の記念日で使われることも多いという。

「そのお家のお嬢様が成長されて、彼氏を連れてこられることもよくあります。『両親に初めて彼を紹介するので背中を押してください』と言われたりします(笑)」

変わらない味と雰囲気と共に、ここでの食事が大切な思い出として刻まれているようだ。

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「ここはおいしくて雰囲気もいいし、サービスも申し分ない。値段もそれほど高くないのですごく使いやすいお店です。僕はあまり家族で外食をしないのですが、ここなら家族を連れてきてもいいなと思いますし、他府県からお客さんが来られた時にも使っていきたいですね」(野村さん)

予算はアラカルトで大体3000円から。コースなら食べて飲んで6000円くらいから楽しめる。

撮影 エディ・オオムラ  文 山本真由美

■竹香

京都市東山区橋本町390
075- 561-1209
営業時間 17時~21時(LO20時20分)
定休日 火
https://gion-takeka.com/

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