BLOG京の会長&社長めし2020.08.11

株式会社美濃与の社長が通う店「くいしんぼー山中(やまなか)」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は株式会社美濃与社長の社長の長瀬文彦さんが通うステーキ専門店「くいしんぼー山中」です。

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■長瀬 文彦(ながせ ふみひこ)さん 

1973年生まれ
法政大学文学部卒
1995年中沢乳業(株)入社
2000年(株)美濃与入社
2008年同社代表取締役社長に就任
京菓子原材料専門店、本年で創業118年を迎え、昨年原材料のきな粉を自家製造する専用工場を建設。

最後の晩餐は、奥様が作るミラノ風カツレツ。

全国の肉好き垂涎、近江牛ステーキの名店で、和牛本来の感動的なおいしさに出合う

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長瀬さんがお薦めとして挙げたのは、地元・西京区にある2軒。そのうち今回紹介する老舗ステーキ店「くいしんぼー山中」は、肉好きの間ではかなり知られた存在で、長瀬さんも約20年来のファンだという。

「私が東京から京都に戻ってきた時に、うちの会社の社長だった父に連れて行ってもらったのが最初です。ランチで食べたハンバーグが衝撃を受けるくらいおいしくて(笑)。高級店なので頻繁には行けませんが、この地域でお肉といえばここという感じで、お昼を中心に父や家族と月に一度は行かせてもらっていますね。うちの遠方のお客さんに予約を頼まれることも多いです」(長瀬さん)

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千代原口交差点を少し南下した物集街道沿い。中心部から離れた立地ながら、京都はもちろん全国からお客が訪れる。

オーナーの山中康司さんは、大学卒業後、ステーキ店などでの修業を経て昭和51年にこの店を開いた。店内は1階にカウンターとテーブル席、2階にもテーブル席があり、昔ながらのステーキ店らしい造り。気取った感じはなく、温かい雰囲気のなか食事が楽しめる。

「美濃与さんはお父さんの代からのおつきあいで、40年ほどになります。長瀬社長はお菓子関係の会社の方と一緒に来てくださることもあります」と、山中さん。

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「お肉がとにかくおいしい。信頼できる肉屋さんからより良い質のお肉を仕入れられているので、お肉そのもののおいしさを堪能できます」(長瀬さん)

「自分が食べたいもの、大事な人に食べさせたいものをお客さんに出したい。それにはちゃんとした食材を使わなあかんのです」

そう話す山中さんが40年以上使い続けているのが、東近江の「マルキ福永喜三郎商店」が直営牧場で育てる未経産の近江牛だ。山中さんによれば、市場に出ている和牛の大半は、霜降りを作るためにビタミンコントロールを行い肥育されているそうだが、ここでは但馬牛を昔ながらの自然の飼育法で大切に育て、提供しているという。山中さんはその中でも38カ月肥育した肉を吟味して仕入れる。小豆色で自然なサシが入っているのが、本物の肉の絶対条件だという。

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「今の主流の育て方は牛にすごくダメージを与えるため、肉の脂も良くないし胃もたれするんです。でも、なるべく負担の少ない方法で健康に育てられたここの近江牛は脂の質が全然違います」と、山中さん。

言葉の端々に、近江牛に対する熱い思いが伝わってくる。

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そんな山中さんとの会話も魅力だと語る長瀬さん。店では必ずカウンター席を選ぶそうだ。

「マスターのお話が面白くて、お肉のことを語りだすと止まらないぐらい話してくださいます(笑)。お肉以外のことも詳しいし、お話を聞くだけでも楽しい。私たちも和菓子材料という食を扱う業界なので、そういうお話をカウンター越しに聞いて勉強させてもらっています」(長瀬さん)

共に"食材がすべて"という考えを持つ者同士、いろいろ話が弾むようだ。

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丹精込めて作られる数々のメニューの中で、昼はハンバーグステーキ、夜はステーキのコースが人気だ。

長瀬さんが昼に必ず頼むというハンバーグ(ランチ2800円)は、ここでしか味わえない逸品。ドーナツ状になっており、オーブンに2分ほど入れた後、中心に卵を落として再びオーブンで焼き上げる。生でも食べられるほど新鮮な近江牛に、淡路島産玉ねぎ、パン粉、塩コショウのみというシンプルさで、肉本来の味を引き立たせている。

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「お肉そのものもおいしいですが、半熟の目玉焼きとデミグラスソースをからめて食べるのがまたおいしくて。最後にスプーンで全部すくってご飯にかけて食べるスタイルも気に入っています。ランチに付くコーンスープとポテトもお薦めです」と、長瀬さん。

その言葉通り、肉とソースととろとろの玉子の味のハーモニーがたまらなく美味。

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長瀬さんの夜のお薦めは、コースのメインで出てくるステーキ。

「目の前でお肉を切ってくださるのを見ながら食べる雰囲気も好きです。いろんなソースで食べるというより、シンプルな味付けでお肉の味をストレートに出されていておいしい。よくお肉をたくさん食べると胃がもたれたりしますが、ここはそんなことが全然ない」(長瀬さん)

写真は単品の最上特選近江牛ロースステーキ230グラム。コースでは特選近江牛140グラムが提供される。

味付けは、塩コショウに香り付けの醤油を少々。

絶妙に火入れしたステーキは、塩加減も上々で、柔らかく噛みしめるほどに優しい旨味と甘味が口の中に広がる。脂も驚くほどさらりとして、後口がとても軽い。

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「やっぱりお客さんに来てよかったと思って帰っていただくことは絶対です。だからおいしいと言っていただかないとあかんし、そのためにきちっとした食材を使ってきちっと仕事することが一番大事やと思うんです」と、もてなしについて語る山中さん。

その信念のもと、時流に乗じることなく喜ばれる料理を追求しているからこそ、ファンは絶対的な安心感をもって遠方からでも通い続ける。

「この二十数年、僕ら親子で通わせてもらっていますが、お店の雰囲気も今も一切変わらず、とてもアットホーム。カウンター越しに山中さんがいらっしゃる、その雰囲気もすごく好きなんです」(長瀬さん)

予算は、ステーキコースで1万円~3万円ほど。昼はランチが2000円くらいから楽しめる。

撮影 エディ・オオムラ  文 山本真由美

■くいしんぼー山中

京都市西京区御陵溝浦町26-26
075- 392-3745
営業時間 11時30分~14時(LO13時30分)、17時~21時(LO20時30分)
定休日 火、第3月(祝日の場合は営業)