BLOG料理人がオフに通う店2020.04.23

「炭焼 芹生」-「Vena」早川大樹さんが通う店

「旨い店は料理人に聞け!」 京都を代表する料理人がオフの日に通う店、心から薦めたいと思う店を紹介する【料理人がオフに通う店】。今回は「Vena(ヴェーナ)」のシェフ、早川大樹さんが通う「炭焼 芹生」の登場です。

イタリア料理「Vena」シェフ早川大樹(ハヤカワ ヒロキ)さん

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《プロフィール》
1982年、京都府生まれ。イタリアンの名店「イル・ギオットーネ」で修業を積み、2016年、ソムリエの池本洋司さんとともに「Vena」を開業。これまで積み上げてきた経験をベースに、丁寧に食材を選び、旬を瑞々しく感じさせる料理で多くのファンの心と舌を掴んでいる。

旬味満載の一品とひと手間掛けた炭火焼をコース仕立てで。素材の持ち味を引き出す、名店譲りの技に注目。

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先日、オープン3周年を迎えた「炭焼 芹生」。名割烹として知られる木屋町「やました」出身の芹生玄さんが、「やました」仕込みの炭火料理をコースで提供し、根強い人気を誇る一軒だ。

「芹生さんとは朝の市場で顔を合わすことが多いですね。同い年ということもあり、自然と言葉を交わすようになりました」と早川さん。

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L字のカウンターは、おいしいものに目がない客で賑わいをみせ、早川さんのような飲食関係者も少なくない。

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同じ魚屋で仕入れをすることから、しばしば市場で顔を合わせるというお二人。今では互いの店を行き来したり、共通のお客さんを介した食事会で盛り上がることもあるそうだ。

「休日に妻と伺うことが多いのですが、コースの料理はどれも美味しく、素材の持ち味をうまく引き出していると感じます。一見シンプルですが、調味料を工夫していたり、細やかな気遣いが勉強になります」(早川さん)

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コースには炭火焼以外に和え物やお造り、椀物、酢の物など、魅力的な料理が数多く盛り込まれ、旬のごちそうが一通り楽しめる内容に。

「やはり『やました』での経験が大きいと思います。大将は食材の持ち味を引き出すのがうまい人。常に"素材の味をどう表現すべきか"と考える癖がついたのは、大将の影響ですね」と芹生さん。

「『やました』では、まだジビエを扱う店が少なかった頃から猪や熊を積極的に使っていて、川のものなどでも他所の店では扱ってないものを出していました」と、修業時代を振り返る。

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コース中ほどに出される野菜焼き。しいたけは炭火で焼いた後、バターとブランデーで別途香り付けを。皿には能登の天然塩と、自家製の合わせ味噌が添えられる。味噌は柑橘類やごまで風味付けした焼き野菜用の特製味噌で、思わず日本酒を追加したくなる味わい。

「野菜は季節によっていろんなものを使います。旬のものを市場で仕入れることが多いですね。丸茄子があるときは茄子田楽を作ってみたり、その時々で出し方も工夫しています」(芹生さん)

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この日の肉は和牛のラム芯(もも)。鹿児島県産の赤身を使うことが多いという。猪や鴨、ごく一部の店でしか食べられない鹿児島産の希少な豚「サドルバック」が入荷することも。

「休ませながらじっくり時間をかけて焼いていくので、柔らかいでしょう?」と、笑顔の芹生さん。

肉に添えられたタレがまたくせ者で「コース終盤でもすんなり胃に収まってしまいます」と、早川さんも絶賛。

「これは『やました』で覚えた肉だれです。大根、人参、セロリなどが入った和風のデミグラスソースで、ハマる人が多いですね」(芹生さん)

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「今日は千葉の金目を焼きました。同じ魚でも獲れた場所によって味や脂の乗りが全然違うんです」と、今から焼く魚を見せてくれる。いつも捌く前の魚を直接お客さんに見てもらい、どれを焼くか選んでもらっている。

金目は焼き上がり直前に刷毛で醤油をサッと塗り、香ばしく仕上げる。時には西京焼きや幽庵漬など、下味をつけた魚を用意することも。

「本当は『やました』のような割烹スタイルが理想なんですが、うちの規模ではなかな難しい。でもせめてメインぐらいは自由に選んでもらえたら」と、主菜の選択肢を多めに用意する。仲のいい料理人仲間と全国の人気店に足を運び、「今どんな料理が求められているのか」「どんな調理法が流行っているのか」など、情報収集にも余念がない。

ブラッシュアップを欠かさない芹生さんの料理と気さくな接客を楽しみに、今日も多くの客が「芹生」の暖簾をくぐる。

コースは8000円~

20時半以降はアラカルトでの注文も可。

撮影 鈴木誠一 取材・文 鈴木敦子

■炭焼 芹生

京都市中京区占出山町299 ヒラタビル1F
075-744-0488
11:30~13:00(L.O.)、17:00~22:00(L.O.)
月曜・第3日曜休

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