BLOG料理人がオフに通う店2020.05.23

「炭焼みはな」-「炭焼 芹生」芹生玄さんが通う店

「旨い店は料理人に聞け!」京都を代表する料理人がオフの日に通う店、心から薦めたいと思う店を紹介する【料理人がオフに通う店】。今回は「炭焼 芹生」の店主、芹生玄さんが通う「炭焼 みはな」 です。

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「炭焼 芹生」店主 芹生玄さん

大学時代、飲食の世界に興味を持ち、在学中に一年間、オーストラリアに留学。車でオーストラリア一周する時間が、外から日本文化を見つめる貴重な機会となり、和食の道へ進むことを決意。宮川町の「蜃気楼」をはじめ、木屋町の名店「割烹やました」では10年間修業し、長年、焼き場を担当。炭焼の技を研鑽する中で、炭焼の奥深さに魅了され、自身の店開く際も、炭火焼を柱に据えた。目利きとして厳選した旬の素材をふんだんに用い、最高の炭火の技を駆使して、香味豊かな炭火料理を提供している。

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店内はカウンターのみ。モダンな空間に和やかな空気が流れている。

 三条通を烏丸通から西へ、個性的な新店が続々とオープンする釜座町界隈に、、また魅力ある店が昨年夏にオープンした。女性店主の長手未華さんは炭火料理の「侘屋古歴堂」や肉料理の「ハンター」などで働き、自身も強く魅了された炭焼の店をつくったという。ご主人は、岡崎近くのイタリアンレストランのオーナーシェフだ。

「仕事帰り、『ハンター』さんによく伺っていて、その時、お店で働いていたのが長手さんでした。気さくで明るくて話しやすい人で、親しくさせてもらうようになりました」(芹生さん)

「大学時代から飲食の世界に興味があって、進みたいと思っていました。色々なお店で経験を積ませていただきましたが、若い頃から焼鳥が大好きで、自分の店をするなら焼鳥を中心にした炭火料理の店をしたいなあと思っていました。女性一人で焼鳥店って入りにくいじゃないですが。そういうのをなくして、気軽に入りやすいお店にしたかったんです」(長手さん)

 店内はカウンター席のみ。温かな雰囲気で、長手さんの人柄そのものの空気が満ちている。

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炭は場所によって温度帯を変え、串を絶妙なタイミングで動かしながら、火入れしていく。

 素材を炭火で焼くというシンプルな手法が好き。それだけに素材の吟味、炭火の火加減、時間などに心を砕く長手さん。同じ鶏でも部位によって焼き加減を変える。高知県産の備長炭を使い、素材は丹波篠山の高坂鶏や鳥取の大山鶏が中心。その鶏の特性を最大限引き出せるよう、細心の注意を払って火入れをする。

「店が近いということもあって仕事が終わった後に、スタッフを連れていくことが多いですね。遅めの時間に行くことが多いので、その日、まだ材料があるものからおすすめで何品か焼いてもらいます。焼き鳥に合わせて飲むのは主にワイン。僕はナチュラルワインが好きなので、いつもその日のおすすめのグラスワインをいただきます」(芹生さん)

「芹生さんはいつも最初に一品ものを注文して、焼鳥の焼き上がりを待ちながら、ワインとともに楽しんでくださいます。お客様もそういう方が多いですね。私の考えですが、炭焼料理には造り手の想いが素直に反映されたナチュラルワインがすごく良く合うと思います。炭焼はシンプルな調理法ゆえに、出来あがる料理が焼き手によって異なります。ナチュラルワインもまた、量産型のワインと違って、同じ造り手でも年によってワインの味わいが変化するあたりが魅力で、炭焼と共通する点がとても多いと思います。芹生さんはとても勉強熱心な方なので、ワインのことを色々と聞かれますが、話していて私もとても勉強になります」(長手さん)

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人気の一品、「親鳥のたたき風」600円。しっかりとした肉質の親鳥のもも肉を炭火で香ばしく炙って、食べやすいよう細かく切って、ポン酢でいただく。

濃厚な肉の旨みとあっさりとしたポン酢の相性がとてもいい。

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女性に特に人気なのが季節の果物を使ったサラダ。写真は水ナスと文旦のサラダ580円。甘酸っぱい文旦の爽やかさとみずみずしい水ナス、カッテージチーズが軽やかな風味を生み出す。季節によって素材の組み合わせが変わるのも楽しい。

「とにかく彼女は、炭焼の経験をしっかりと積んでいるので、焼き加減、火入れ加減が絶妙で、同じ炭焼をやるものとして、とても勉強になります。お?こんな素材を使うのか、とか、こんな素材の組み合わせがあるのか!とか、目からウロコの新鮮な発見があって、美味しく楽しみながら、こちらも勉強をさせてもらっています」(芹生さん)

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ムネ(梅しそ)250円はややレアめに焼き上げている。あっさりしながら旨味が濃厚。

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塩とわさびでいただくだき身は、コクがあってとてもジューシー。300円。

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人気上位のつくね250円は、ムネとももを粗挽きにして、肉らしい食感を楽しめる。

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長手さん自身が好きだというデリック・ラーセン氏や板原摩紀さんなど、個性ある作家ものの器使いもまた、店の大きな魅力になっている。

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ナチュラルワインも豊富に揃う。左から、ロミュアルド・ヴァロ アントリュージョン ロゼ、ドメーヌ・ラ・トープ スラン、メイガンマ ロザート。グラスワイン800円〜。ボトルワイン4000円

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「開店して1年も経っていないので、まだまだやりたいことが山積みです。シンプルだからこそ奥が深い炭焼の世界を、もっともっと追求したい。大好きなナチュラルワインと焼き鳥のマリアージュをいろんな方に楽しんでいただきたいです」(長手さん)

 これからますます進化していく長手さんの炭焼の世界。じっくりと付き合っていきたくなる一軒だ。

撮影/津久井珠美   取材・文/郡 麻江

■炭焼 みはな

京都市中京区釜座14 Pavillion三条1F
075-221-5595
18:00~23:00(LO)
不定休

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