BLOGうつわ知新2021.06.15

義山(ギヤマン)3

備前や織部、古染付といった焼物ごとにうつわをご紹介。京都・新門前にて古美術商を営む、梶古美術7代目当主の梶高明さんに解説いただきます。 さらに、京都の著名料理人にそれぞれの器に添う料理を誂えていただき、料理はもちろん うつわとの相性やデザインなどについてお話しいただきます。

今月のテーマは「義山(ギヤマン)」です。
西洋文化とともに日本にもたらされた義山について梶さんに解説いただきました。
1回目は義山の歴史や種類について。2回目はそれぞれのうつわの見方や解説です。
そして、3回目は、野菜をメインにしたフレンチレストラン「青いけ」の青池啓行シェフとのコラボレーションです。
青池シェフが輝く義山のうつわに彩美しい料理を盛り付けてくださいます。

「義山の世界」をお楽しみください。

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梶高明

梶古美術7代目当主。京都・新門前にて古美術商を営む。1998年から朝日カルチャーセンターでの骨董講座の講師を担当し、人気を博す。現在、社団法人茶道裏千家淡交会講師、特定非営利活動法人日本料理アカデミー正会員,京都料理芽生会賛助会員。平成24年から25年の二年間、あまから手帖巻頭で「ニッポンのうつわ手引き」執筆など。 全国の有名料理店と特別なうつわを使った茶会や食事会を数多く開催。

義山(ギヤマン)3

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 これこそが「義山」呼ぶにふさわしい蓋茶碗です。多くのガラスのうつわには、刻印などが刻まれていないため、産地や年代の判定が困難です。「バカラ」も1940年以前の作品には、紙製のシールが残されているのを稀に見かけますが、「Baccarat 」の刻印が刻まれているのが常ではありません。日本人がバカラ社に自らのオリジナル設計で発注をするのが 1901年以降でありますから、1940年までの間に刻印のない品物が輸入されていたことが想像されます。料理屋では「義山」をさらに美しく輝かせて見せるため、うつわの下に南鐐のうつわを敷いてお使いになる事も多く見かけます。

義山2より

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目板鰈のカルパッチョ うすいエンドウ豆のピュレとマイクロハーブ

「蓋つきの美しいうつわなので、まずは蓋をしたままでお客様のもとへ。
 この料理は、コースの最初にでるアミューズといったかんじでしょうか。
 蓋を開けたときに、わあ~っと声をあげていただければと思い、6月らしく若葉のような清々しさや瑞々しさのある料理にしました。

 薄く切った目板鰈にうすいエンドウ豆の青々しい香り、マイクロハーブの香味を添えています。この時期から脂がのっておいしくなる目板鰈を爽やかな風味で味わっていただけます。
 
 素晴らしいガラス器なので、今回はうつわを主役にしたいと思っていました。
料理の色目は少なく、クリスタルの輝きを静かに受け止めるようなものです。

 義山のカットの美しさや金縁の豪華さを、下に敷いたシルバーのうつわがより輝かせてくれる組み合わせ。まずは、うつわの美しさをご堪能ください。」

青池啓行シェフ

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 写真では伝わりにくいのですが、たっぷりしたサイズの鉢です。恐らく1800年代後半のバカラのものでしょう。日本人の注文品ではなく、西洋で平たいボウルとして使われていたものを、日本人が持ち帰ったのではないでしょうか。端午の節句に粽をのせて、あるいは清涼感ある夏の菓子をのせて茶会で使いたいものです。

義山2より

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農園野菜15種類のプレッセ 葉野菜のブーケと玉ねぎソースを添えて

「当店のスペシャリテといえる一皿です。
 京都北山近郊の農園でつくられた新鮮野菜を使っています。
 生が美味しいものは生で、茹でたり蒸したりと火入れしたほうがいいものは、控えめな火入れで、それそれの野菜の持ち味を引き出し、プレッセにしました。
 甘みのある玉ねぎのソースで召し上がっていただきます。

 この料理もさきほどのアミューズと同じく、主役はうつわです。
 クリスタルの美しさを見ていただくために、お皿一杯に料理を盛るのではなく、余白をたっぷりと残しました。
 
 料理と義山の組み合わせで、初夏の風や涼味を感じていただければ幸いです」

青池啓行シェフ

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青池啓行(あおいけ ひろゆき)

1975年、京都府生まれ。京都ホテルで修業を開始。現【レストラン スポンタネ】(※1日4組限定のフレンチレストラン)の谷岡シェフに師事する。その後、26歳でヘッドハンティングされて市内のカウンターフレンチ【パリの朝市】のオープンに参画。これを含め、フランス料理店5軒で立ち上げに関わる。39歳で京町屋を改装し、【Restaurant 青いけ】を開業。現在に至る。

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青いけ

青池啓行さんが、2014年京都・御所南に開いたフランス料理店。中村外二工務店設計の端正な店内で味わえるのは、野菜の持ち味を存分に生かした季節のコースです。コースには30~50種もの野菜が使われるのが特徴で、女性はもちろん健康を気遣うヘルシー志向の食通にも評判。1階では、シェフの調理や盛り付けを間近に見られ、カウンター席の醍醐味を満喫できます。

■青いけ

住所:京都市中京区竹屋町通高倉西入塀之内町631
電話:075-204-3970
営業時間:12時~13時30分(L.O) 、18時~19時30分(L.O)
定休日:日曜、不定休あり

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